地域別ガイド

大阪市の民泊ルール|住宅宿泊事業の条例と特区民泊の受付終了

大阪市は特区民泊・住宅宿泊事業・旅館業の3制度がすべて関係する都市です。2025年から2026年にかけて特区民泊の新規受付終了が決まり、選択肢が変わりました。大阪市の条例・ガイドライン・報道発表をもとに、現在の前提を整理します。

この記事の要点

・特区民泊:令和8年5月29日(金曜日)で新規受付を終了。同日以前に認定済みの施設は従来どおり営業可能。
・住宅宿泊事業:住居専用地域は全期間(幅員4m以上の道路に接する特例区域を除く)、小学校等の周囲100mは月曜正午〜金曜正午を制限。
・届出前に周辺住民・学校等への説明が条例で義務付けられている。

特区民泊の新規受付終了

大阪市は令和7年11月28日の報道発表で、国家戦略特区の区域計画の変更認定を受け、令和8年5月29日(金曜日)をもって特区民泊の新規受付を終了すると公表しました。終了の対象は次のとおりです。

  • 特区民泊の新規の認定申請
  • 認定済み施設の居室の追加・床面積の増加に関する変更認定申請
  • 特区民泊にかかる消防法令適合通知書の交付申請、廃棄物の処理に関する報告の新規届出

同日以前に認定を受けた施設は従来どおり営業でき、同日以前に申請して同日までに処分がなかったものは、その後認定されても同日以前に認定を受けたものとして扱われます。今後大阪市で新たに民泊を始める場合は、住宅宿泊事業の届出か旅館業の許可が中心になります。

住宅宿泊事業の条例による制限

「大阪市住宅宿泊事業の適正な運営の確保に関する条例」第2条は、次の区域・期間で住宅宿泊事業を制限しています。

区域制限期間
第1種・第2種低層住居専用地域、第1種・第2種中高層住居専用地域(幅員4m以上の道路に敷地が接する住宅の区域=特例区域を除く)全ての期間
小学校(義務教育学校を含む)の敷地の周囲100m以内月曜日の正午から金曜日の正午まで

市のガイドライン(令和2年4月)では、この制限は事業者が自ら管理する居室数が5を超える場合、または宿泊中に事業者が不在となる場合に適用されると説明されています。敷地が区域の内外にまたがるときは、敷地の過半が制限区域内にあれば区域内とみなされます。

届出前の周辺住民への説明

条例第3条により、届出予定者は届出の前に、周辺地域の住民と学校・児童福祉施設等に対し、住宅宿泊事業を営む旨を説明しなければなりません。ガイドラインでは、説明は説明会の開催または戸別訪問で、必要事項を記載した説明資料を用いて行い、届出の際に事前説明を実施した旨の書面を添付するとされています。

旅館業の条例改正(令和8年10月30日施行予定)

大阪市は令和8年5月19日〜6月18日に「大阪市旅館業法の施行等に関する条例」の一部改正案のパブリック・コメントを実施しました。発表では、特区民泊の新規受付終了後に旅館業の許可で同様の事業を行う事業者が想定されること、騒音やごみ等の近隣トラブルの未然防止を目的とすることが述べられています。その後、改正条例案は議案第124号として令和8年9月15日に市会へ提出され、附則で令和8年10月30日施行とされています。主な内容は次のとおりです。

  • 構造(第3条):宿泊施設のある建物に居住部分がある場合、許可申請時(延べ面積の増加を伴う改修時を含む)に、原則として鉄筋コンクリート造または鉄骨鉄筋コンクリート造とすること(市長が同等以上の防音性能を認めた場合を除く)。
  • 常駐(第9条):宿泊者が施設を使用している間、営業者または従業者が施設に常駐すること(下宿営業を除く)。
  • 近隣住民への周知(第12条):周知義務の対象となる施設の規模の基準を総客室延べ面積200㎡未満から33㎡未満に改め、延べ面積33㎡未満の簡易宿所で玄関帳場を設けない施設にしようとする場合も対象に加える。

経過措置として、改正後の第3条・第12条は施行日以後の許可申請に適用され、施行日前の申請には従前の例が適用されます。市の規則等の改正案の意見募集ページでは「原案通り可決された場合」に令和8年10月30日(金曜日)から施行される予定と記載されており、本稿では議決結果を確認できていません。施行の有無と施行後の規則・審査基準は、大阪市の公表資料で最新の状況を確認してください。

大阪市で検討するときのチェック

  • 物件が住居専用地域か、特例区域(幅員4m以上の道路に接する)に当たるか
  • 小学校・義務教育学校の敷地から100m以内か
  • 家主居住型・不在型、自ら管理する居室数
  • 周辺住民・施設への説明の範囲と方法
  • 旅館業で計画する場合、令和8年10月30日施行予定の改正旅館業条例(構造・常駐・近隣周知)への対応

相談先・申込先の選び方

住宅宿泊事業の届出・条例の当てはめは、市のガイドラインで届出窓口とされている環境衛生監視課に相談します。旅館業の許可は保健所設置市である大阪市が受け付けています。消防法令適合通知書は管轄の消防署に相談します。運営を委託する場合は、大阪市の条例に沿った周辺住民対応や苦情対応の体制を、契約前の書面で確認しましょう。

出典(一次情報)

上記はいずれも2026-10-12に内容を確認しました。制度・条例・様式は改正されることがあるため、手続きの前に必ず最新版を所管窓口で確認してください。

記事一覧へ戻る

シロク
シロクのひとこと

費用と条件を分けて、ひとつずつ確かめよう。