制度・届出

簡易宿所営業の許可とは|民泊を旅館業で行う条件

年180日の上限を避けて通年で宿泊営業をしたい場合の選択肢が、旅館業法の簡易宿所営業の許可です。厚生労働省「民泊サービスと旅館業法に関するQ&A」と観光庁の比較表をもとに、許可の基本と住宅宿泊事業との違いを整理します。

この記事の要点

・簡易宿所営業=宿泊する場所を多数人で共用する構造及び設備を主とする施設で行う営業。
・客室延床面積は33㎡以上。ただし一度に宿泊させる人数が10人未満なら「3.3㎡×宿泊者数」以上で可。
・営業日数の上限はないが、住居専用地域では営業できない。

旅館業法の3つの営業種別

種別定義(厚生労働省Q&Aの要旨)
旅館・ホテル営業簡易宿所営業・下宿営業以外の、施設を設けて宿泊料を受けて人を宿泊させる営業
簡易宿所営業宿泊する場所を多数人で共用する構造及び設備を主とする施設を設けて行う営業
下宿営業1か月以上の期間を単位とする宿泊料を受けて行う営業

客室延床面積の基準

簡易宿所の客室延床面積の基準は33㎡以上です。2016年(平成28年)4月の改正で、一度に宿泊させる人数が10人未満の施設は「宿泊者1人当たり3.3㎡に宿泊者数を乗じた面積以上」で許可を受けられるようになりました。

本稿の計算:定員4人で計画する場合、3.3㎡×4人=13.2㎡以上の客室延床面積が目安になります。定員を増やすと必要面積も増えます。

住宅宿泊事業との主な違い

項目簡易宿所(旅館業)住宅宿泊事業
手続き許可届出
営業日数制限なし年180日以内(条例で制限あり)
住居専用地域不可可能(条例で制限あり)
床面積33㎡(10人未満は3.3㎡/人)3.3㎡/人

出典:観光庁の3制度比較表。

許可が必要になる場面

  • 宿泊料を受けて人を宿泊させる営業は旅館業に当たり、住宅宿泊事業の届出や特区民泊の認定を受けない限り許可が必要です。
  • 「体験料」などの名目でも、休憩料、寝具賃貸料、光熱水道費、清掃費などの実質が宿泊料とみなされる場合は許可が必要です。
  • 知人・友人を泊める場合でも、広く宿泊者を募集して繰り返し泊める場合は許可が必要とされています。
  • 無許可で旅館業を営んだ場合の罰則が旅館業法に定められています。

賃貸・マンションで許可を取る場合

厚生労働省のQ&Aでは、賃貸物件では転貸が禁止されていないことや旅館業への使用が可能であることを貸主や管理会社に確認すること、地域の立地規制や建築基準法の用途変更手続きも確認が必要なことが示されています。分譲マンションでは管理規約の用途制限の確認と管理組合への事前相談が望まれるとされています。用途変更については民泊と用途変更をご覧ください。

自治体独自の基準が変わることもあります。たとえば大阪市では、居住部分のある建物の構造(原則RC造・SRC造)、宿泊者滞在中の営業者等の常駐、近隣周知の対象の見直しを内容とする旅館業条例の改正が令和8年10月30日施行予定とされています(議案第124号。施行状況は市の公表資料で確認)。詳しくは大阪市の民泊ルールをご覧ください。

相談先・申込先の選び方

旅館業の許可の申請受付・事前相談は、施設の所在地の都道府県(保健所設置市・特別区を含む)が行っています。構造設備の確認事項は自治体ごとに案内があるため、図面を持って保健所に事前相談し、建築基準法の手続きは建築担当課、消防設備は消防署で確認します。手続きの代行を依頼する場合は行政書士など専門家に相談するのが一般的です。

出典(一次情報)

上記はいずれも2026-10-12に内容を確認しました。制度・条例・様式は改正されることがあるため、手続きの前に必ず最新版を所管窓口で確認してください。

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